スマホやPCなどのBLE端末から通信して、bCoreNKDに内蔵(BLE113に内蔵)された温度センサから温度情報を読み取らせる
サンプルスクリプトのプロジェクトファイル
BLE通信の仕様については基本的に触れません。
この程度の短いスクリプトで簡単にBLE端末から操作するガジェットを作ることができます!
BLE通信の仕様についての参考書籍としては、
iOS×BLE Core Bluetoothプログラミング堤 修一 (著), 松村 礼央 (著)
をお勧めします。bCoreの開発時にお世話になりました。
GitHubからまとめでDownLoadできるようになっています。
bCoreNDKSample_09.bgproj
プロジェクトファイルについては説明省略
bCoreNDKSample_09_gatt.xml
GATT設定ファイル
このGATT.xmlでは3つのサービスを定義しています。
4~20行目 Generic Access Profile
BLE端末(Central)側からデバイス(ペリフェラル=bCoreNKD)を見つけるときに識別する
為の名前と、デバイスのタイプを設定しています。
UUID:0x2a01 Apperance については、
このように定義されています。
unknown (つまり0)にしてあります。
id スクリプトから値(Value)を参照する場合に使用する変数名
read セントラル(通信相手の端末)からみてこの値がReadできるかどうか
const 値が固定値であるかどうか
type ="hex"とすると16進数、しない場合は文字列としてValueが認識される
24~45行目 Device Information
デバイス(ペリフェラル=bCoreNKD)に関する情報を設定します。
省略可能です。
48~58行目 このサンプルスクリプトで使用する 温度情報を読みだす ためのBLE通信の口(characteristic)を設定します。
このスクリプトでは、見やすくするために恣意的な文字列をUUIDにしていますが、
UUIDの生成については
こちら を参照して適切に設定して下さい。
advertise "true"にしないとこのサービスが端末から発見できないため利用できなくなる
description サービス、キャラクタリスティックを説明する文字列
id スクリプトから値(Value)を参照する場合に使用する変数名
properties read/write/write_no_responseのそれぞれの属性の有効無効の設定
今回のサンプルスクリプトは値を端末から司令するだけなので、write_no_responseのみtrue
value length やり取りされる 値 の長さ(byte 単位)
value type typeが hexの場合はReadに対して
スクリプトでイベント(event attributes_user_read_request())が発生しないため、
Readが発生した時点で仕掛けられていたValueがそのまま応答されます。
bCoreNDKSample_09_hardware.xml
ハード的な設定に関するXMLファイル
6行目 <sleep enable="false" /> は、通信相手がいない場合に問答無用で
BLE113がスリ-プしないために必要。
このサンプルのように、最初から通信しない場合は、スクリプトが走るとすぐにスリ-プしてしまいます。
9行目 送信アンテナ強度の設定
15が最大値。小さくすることで消費電力を下げられるが、通信可能距離が短くなる。
bias設定は5から変更しないこと。
12行目 <script enable="true" /> がないと、スクリプトが実行されません。
falseにするとスクリプトが実行されなくなります。
14~16行目 各ポートの 3ステートバッファの有効無効、プルアップ/プルダウンの設定を行います。
設定は、P0x、P1x、P2x単位で行います。個々のポート個別に設定を変更することはできません。
indexで、ポート(0:P0x、1:P1x、2:P2x)を選択。
3ステートバッファを有効にしたいビットを tristatemaskで1にします。(全て有効の場合$FF、Px7の有効の場合 $80)
pullで、プルアップ(up)かプルダウン(down)を選択
bCoreNDKSample_09_script.bgs
スクリプト本体ファイル
7行目 スクリプト中で使える変数は dim で定義。4byte 32bitのみ使用できます。
celsius 計測した温度情報を格納する変数
11~22行目 event system_boot(major ,minor ,patch ,build ,ll_version ,protocol_version ,hw )
Arudinoで言うところの setup()に相当する、スクリプト実行時に最初に呼ばれる処理
Arudinoで言うところの loop()に相当する部分は無いので、イベントドリブンでスクリプトを書く必要があります。
14行目 call hardware_set_soft_timer(time, handle, single_shot)
ソフトウェアタイマ割り込みを設定します。
time 割り込みが発生するカウントを設定します。1カウント=1/32768秒になるため、
0.1秒ごとに設定する場合 3277 とします。
hadle 割り込み発生時に引き渡されるhandleを設定します。
handleを変更しても設定できるソフトウェアタイマ割り込みは一つだけです。
複数設定した場合、最後に設定したソフトウェアタイマ割り込みが有効になります。
single_shot この引数が0の場合は、割り込み発生後再度カウントを開始し
繰り返しタイマ割り込みが発生します。
1の場合、割り込み発生後は新たにタイマ割り込みを設定しない
かぎり再度の割り込み発生は起こりません。
17行目 call gap_set_mode(discover, connect)
GAPのモードを設定します。引数詳細は API Reference を参照のこと
ここで、アドバタイズ(端末から見つけてもらえるように情報発信)を開始します。
20行目 call sm_set_bondable_mode(bondable)
bondableモードの設定をします。引数詳細は API Reference を参照のこと
ざっくり言うと、端末(セントラル)とbCoreNKD(ペリフェラル)間の接続のセキュリティ認証関係の設定。
27~29行目 event connection_status(connection, flags, address, address_type, conn_interval, timeout, latency, bonding)
スクリプトが起動してアドバタイズを開始したあと、端末(セントラル)から接続された時に実行される。
接続されると、自動的にアドバタイズは終了する。
34~38行目 event connection_disconnected(handle,result)
端末(セントラル)から接続された状態で、接続が切れた場合に実行される。
ここでは 再度端末から発見接続可能なようにするためアドバタイズを再会させる。
41~50行目 event hardware_soft_timer(handle)
タイマ割り込みが発生すると実行されるイベントハンドラから呼び出される。
引数のhandleは、タイマ割り込みを設定した際のhandleが引き渡されます。
hardware_soft_timer内の処理がタイマ割り込み間隔よりも長い場合、
処理終了後に再度タイマ割り込みが発生する。
46行目 call hardware_adc_read(14,3,0)
ADC開始のリクエスト。第一引数は 0~7の場合は、それぞれP00~P07をアナログ入力ポートとして
使用しますが、14を指定した場合、チップ内蔵の温度センサが選択される。
第二引数は、AD変換の分解能で、3の時は12bit。
ただし、何故かsigned形式らしく、最上位は常に0なので得られる値は 0~2047。
第3引数は、AD変換をする場合の比較電圧。0の場合は、内蔵のリファレンス電源で1.24V。
54~60行目 event hardware_adc_result(input, value)
46行目のADCリクエストでAD変換を開始し、変換終了時に発生するイベント。
複数のADCを実行する場合は、inputにリクエスト時に設定した入力が格納されているのでそこで判別。
valueには、左詰めで値が格納されているので、12bit指定の場合は4ビットシフト(÷16)で12bitのADC値として取得可能。
ただし、signed形式らしく、最上位は常に0なので得られる値は 0~2047。
56行目 AD変換値を 温度×10 の数値に変換。
(27.4℃の場合に 274)
58行目 call attributes_write(xgatt_TEMP, 0, 2, celsius)
温度情報をそのまま xgatt_TEMP(GATT.xml)に反映させる。
Readが発生した場合は、スクリプトを介さずこの値がそのまま応答される。
そのため、0.1秒周期のタイマで更新している温度情報状態に対しタイミング次第で
応答値の更新が最大で0.1秒遅れる。
テスト回路外付け回路不要のため省略
- 2016/07/23(土) 00:14:16|
- bCoreNKDとは?
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